国外NGOが中国国内に代表機関を設立する際の手続き及び注意事項

1、現行の規定・背景について

「中華人民共和国国外NGO国内活動管理法」が2016年4月28日に可決され、2017年1月1日から施行されました。同法には、国外NGOが中国国内に代表機関を設立する際の登記管理機関は中国公安機関であると規定されています。同法施行日の2017年1月1日より前の登記主管機関は工商行政管理機関でした。

同法の実施により、2017年1月1日より前に工商行政管理機関において登記を行った国外NGOの国内代表機関(当時は国外企業の国内代表機関の規定に従って登記)は全て主管公安機関の国外NGO国内活動管理部門において改めて登記を行いました。

2、主な手続き

国外NGOが中国国内に代表機関を設立する際は主に以下の二つの手順で行います。

  1. 省クラスの業務主管部門又は全国、省クラスの業務主管公益協会から、当該国外NGOの国内代表機関の業務主管機関となることについて同意を受ける。(業務主管機関については「国外NGOの中国国内における活動分野及び項目リスト、業務主管機関リスト(2019年)」に従って見つけることができる。」)
  2. 公安機関の国外NGO管理プラットフォーム及び機構において設立登記を行う。

3、具体的な流れ及び手続き

  1. 設立条件
    国外NGOとは中国国外において適法に設立された基金会、社会団体、シンクタンク等の非営利、非政府の社会組織を指します。国外NGOは経済、教育、科学技術、文化、衛生、スポーツ、環境保護等の分野及び貧困救済、災害救助等の面において法に基づき、公益事業の発展に資する活動を行うことができます。「中華人民共和国国外NGO国内活動管理法」第10条の規定によれば、国外NGOが中国国内において代表機関の設立登記を行う場合、以下の条件に適合していなければなりません。
    1. 国外において適法に成立している。
    2. 単独で民事責任を負うことができる。
    3. 定款に規定される目的及び業務範囲が公益事業の発展に資すること。
    4. 国外において二年以上存続し、かつ実質的に活動を行っている。
    5. 法律、行政法規に規定されるその他の条件。
  2. 申請手続き
    1. 国外NGOは公布されている「国外NGOの中国国内における活動分野及び項目リスト、業務主管機関リスト(2019年)」に従って、当該組織の業務範囲、活動地域及び活動を行う必要性に基づき、関連機関に対し、当該組織が設立する代表機関の業務主管機関となるよう申請しなければならない。
    2. 業務主管機関の同意を受けた後、設立予定の代表機関の所在地の省クラスの人民政府の公安機関の国外NGO管理事務室(登記管理機関)に対し代表機関設立登記申請の文書・資料を提出する。
    3. 登記管理機関は国外NGOの代表機関設立申請を審査する。その際、必要に基づき専門家に評価を行わせることができる。
    4. 登記管理機関が審査の上で登記を許可した国外NGOの代表機関について登記証書を交付し、かつ社会に対し公告する。登記事項には名称、所在地、業務範囲、活動地域、首席代表、業務主管機関が含まれる。
    5. 国外NGOの代表機関は登記証書を持参して法に基づき税務登記を行い、印鑑を作成し、中国国内の銀行において銀行口座を開設した上で、税務登記証書のコピー、印鑑の印影及び銀行口座を登記管理機関に届け出る。
  3. 提出資料 
    「中華人民共和国国外NGO国内活動管理法」第12条によれば、代表機関設立登記の申請時には登記管理機関に対し以下の文書、資料を提出しなければなりません。
    1. 申請書
    2. 本法第10条の規定に適合する証明文書、資料
    3. 設立予定の代表機関の首席代表の身分証明書、履歴書及びその無犯罪記録の証明資料又は表明書
    4. 設立予定の代表機関の所在地についての証明資料
    5. 資金源の証明資料
    6. 業務主管機関の同意文書
    7. 法律、行政法規に規定されるその他の文書、資料
  4. 国外NGOが代表機関を設立する際に公証、認証が必要な文書及び公証・認証手続き

    国外NGOが提出する証明資料及び定款等、並びに国外NGOの代表機関の首席代表に就任予定の外国人及び香港、マカオ、台湾の住民の身分証明書等は以下の手続きに従って確認します。

    1. 外国人の身分証明書、外国において適法に設立されたNGOの証明文書、資料及びその定款、外国において二年以上存続し、かつ実質的に活動を行っていることの証明資料等は、その本国の公証機関又は公証人の公証(但し、当該外国の法律に特別な規定がある場合は除く)及び関連機関の認証を受けた上で、当該外国駐在の中国大使館(領事館)の認証を受けなければならない。
    2. 香港の住民の身分証明書、香港において適法に設立されたNGOの証明資料及びその定款、香港において二年以上存続し、かつ実質的に活動を行っていることの証明資料等は、中国本土の認可を経た公証人の公証を受けなければならない。
    3. マカオの住民の身分証明書、マカオにおいて適法に設立されたNGOの証明資料及びその定款、マカオにおいて二年以上存続し、かつ実質的に活動を行っていることの証明資料等は、マカオ特別行政区政府の公証部門又は中国本土の認可を経た公証人の公証を受けなければならない。
    4. 台湾の住民は「台湾住民による大陸往来通行証」を提出してその身分を証明しなければならず、台湾地域において適法に設立されたNGOの証明資料及びその定款、台湾において二年以上存続し、かつ実質的に活動を行っていることの証明資料等は、現地の公証人の公証を受けなければならない。
  5. 国外NGOの代表機関の名称の確定
    国外NGOの代表機関の名称は「国外NGOの名称」、「駐在地の名称」、「代表処(又は弁事処、連絡処等)」の順で構成しなければなりません。

    「駐在地の名称」とは、国外NGOの代表機関の駐在地の県クラス以上の行政区画の名称を指します。

    国外NGOの名称にその当初の登記地(国又は地域)が明記されていない場合、当初の登記地(国又は地域)の名称を明記しなければなりません。具体的には「国外NGOの名称」、「その当初の登記地を括弧で注記」、「駐在地の名称」、「代表処(又は弁事処、連絡処等)」となります。

  6. 国外NGOの代表機関の活動地域の確定
    国外NGOの代表機関の設立登記においては中国国内における活動地域を確定しなければならず、活動地域は当該省クラスの行政区域内を選択することもできるし、一つの省クラスの行政区画以上を選択することもできます。但し、活動地域の選択は代表機関の業務範囲及び活動の実際の状況と適合していなければなりません。国外NGOが二つ以上の代表機関を設立する場合、各代表機関について確定する活動地域は重なっていてはなりません。

    上記の内容は国外NGOが中国国内において代表機関を設立するときの手続き及び資料の概要であり、あくまでも参考用にすぎません。代表機関を設立する際には、多くの外国語文書の確認及び翻訳文書の確認、公証・認証、業務主管機関の確定及び業務主管機関となってもらうための申請をする際の業務主管機関との連絡、設立申請資料の作成等が必要となります。これらの業務には大量の外国語文書及び中訳の確認、資料の作成及び中国の業務主管部門、公安登記機関との連絡は、国外NGOの能力だけでは速やかに、かつ正確に完了することは難しいものです。弊所は国外NGOの中国国内の代表機関の設立について何件もリーガルサービスの成功事例があるため、中国の法律の規定及び必要な文書・資料を正確に理解し、業務主管機関及び公安登記機関と効率的かつ正確に連絡を取ることについて国外NGOに協力することができます。


*本記事は、中国の法律に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。
また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。
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