中国フランチャイズの届出と注意事項

一、中国の商業フランチャイズの届出状況

2020年6月3日現在、中国商業フランチャイズ情報管理システムにおいて届出を完了しかつ公告された企業総数は5730社となります。

経営区域範囲の統計によれば、省内の企業が2242社であり、省を跨る企業が3488社となり、経営資源タイプの統計によれば、登録商標を有するのが5255社、特許を有するのが245社となり、業界の統計によれば、小売業が1699社、飲食業が2260社、住民サービス業が448社、教育育成業が320社、宿泊業が114社、仲介サービス業が168社、その他の商業サービス業が716社となり、所属区域の統計によれば、香港・マカオ・台湾及び中国国外が186社、中国国内が5544社となり、トップ10社はそれぞれ北京市(1008社)、上海市(608社)、広東省(470社)、浙江省(440社)、山東省(397社)、江蘇省(337社)、重慶市(279社)、湖南省(265社)、福建省(242社)、四川省(231社)となります。

二、中国の商業フランチャイズ制度の紹介

中国において商業フランチャイズを展開する場合、主に、商業フランチャイズの届出及びフランチャイジーへの情報開示の二つの問題に関わります。

中国商業フランチャイズ条例の規定によれば、中国の商業フランチャイズとは、登録商標、企業のロゴ、特許、ノウハウ等の経営資源を保有する企業(以下フランチャイザーという)が契約の形式により、その保有する経営資源を他の経営者(以下フランチャイジーという)が使用することを許諾し、フランチャイジーが契約の約定に従い、統一された経営モデルの下で経営を展開し、かつフランチャイザーに対しフランチャイズ費用を支払う経営活動を指します。企業以外のその他の組織及び個人は、フランチャイザーとしてフランチャイズ活動に従事してはなりません。

中国商業フランチャイズ条例及び商業フランチャイズ情報開示管理弁法の規定によれば、フランチャイザーは完全な情報開示制度を確立しかつ実行しなければなりません。また、フランチャイズ契約の締結日から少なくとも30日前までに、フランチャイジーに対し、法律で規定される情報を書面の形式により提供し、またフランチャイズ契約の文面を提供しなければなりません。契約締結後15日以内に、中国商業フランチャイズ条例、商業フランチャイズ届出管理弁法に基づき、商業フランチャイズの届出を行います。以下において情報開示及び届出について順を追って簡単に説明します。

三、商業フランチャイズの情報開示

フランチャイザーは、フランチャイズ契約の締結日の少なくとも30日前までに、フランチャイジーに対し、以下の情報を書面により提供し、かつフランチャイズ契約の文面を提供しなければなりません。
(一)フランチャイザーの名称、住所、法定代表者、登録資本額、経営範囲及びフランチャイズ活動に従事する基本状況。
(二)フランチャイザーの登録商標、企業のロゴ、特許、ノウハウ及び経営モデルの基本状況。
(三)フランチャイズ費用の種類、金額及び支払方式(保証金の受取の有無及び保証金の返金条件及び返金方式を含む)。
(四)フランチャイジーに製品、サービス、設備を提供する価格及び条件。
(五)フランチャイジーのために継続的に提供する経営指導、技術サポート、業務研修等のサービスの具体的な内容、提供方式及び実施計画。
(六)フランチャイジーの経営活動に対して指導、監督を行う具体的な方法。
(七)フランチャイズネットワーク投資予算。
(八)中国国内における既存のフランチャイジーの数、分布地区及び経営状况の評価。
(九)直近2年分の会計士事務所の監査を受けた財務会計報告書の要旨及び監査報告書の要旨。
(十)直近5年以内のフランチャイズに関連する訴訟及び仲裁の状況。
(十一)フランチャイザー及びその法定代表者の重大な違法経営の有無についての記録。
(十二)国務院商務主管部門が規定するその他の情報。

フランチャイザーからフランチャイジーに提供する情報は、真実、正確、完全なものでなければならず、関連情報を隠匿し、又は虚偽の情報を提供してはなりません。フランチャイザーがフランチャイジーに提供した情報に重大な変更が生じた場合、フランチャイジーに対し速やかに通知しなければなりません。フランチャイザーが関連情報を隠匿し又は虚偽の情報を提供した場合、フランチャイジーはフランチャイズ契約を解除することができます。

四、商業フランチャイズの届出

  1. 商業フランチャイズを展開する資格条件
    フランチャイザーがフランチャイズ活動に従事する場合、成熟した経営モデルを有し、かつフランチャイジーのために継続的に経営指導、技術サポート及び業務研修等のサービスを提供する能力を有さなければなりません。フランチャイザーがフランチャイズ活動に従事する場合、少なくとも2店の直営店を有し、かつ経営期間が1年を超えていなければなりません。
  2. 届出機関
    フランチャイザーは、省、自治区、直轄市の範囲内でフランチャイズ活動に従事する場合、フランチャイズ契約の初回締結日から15日以内に、所在地の省、自治区、直轄市の人民政府商務主管部門に届出を行わなければなりません。省、自治区、直轄市を跨る範囲でフランチャイズ活動に従事する場合、フランチャイズ契約の初回締結日から15日以内に、国務院商務主管部門に届出を行わなければなりません。中国国外のフランチャイザーと中国国内のフランチャイジーが締結するフランチャイズ契約については、国務院商務主管部門に届出を行わなければなりません。
  3. 届出資料
    届出を申請するフランチャイザーは、届出機関に以下の資料を提出しなければなりません:
    (一)商業フランチャイズの基本状況。
    (二)中国国内の全てのフランチャイジーの店舗分布状況。
    (三)フランチャイザーの市場計画書。
    (四)企業法人の営業許可証又はその他の主体資格証明。
    (五)フランチャイズ活動に関連する商標権、特許権及びその他の経営資源の登録証書。
    (六)フランチャイザーがフランチャイズ活動に従事するにあたり、少なくとも2店の直営店を有し、かつ経営期間が1年を超えていることの証明文書。
    2007年5月1日までに既にフランチャイズ活動に従事しているフランチャイザーについては、商業フランチャイズの届出資料を提出する際、上記の項の規定は適用されません。(七)中国国内のフランチャイジーと締結した初回のフランチャイズ契約。
    (八)フランチャイズ契約のサンプル。
    (九)フランチャイズ運営マニュアルの目次(各章節の頁数及びマニュアルの総頁数を明記しなければならず、フランチャイズシステム内部ネットワーク上でこのようなマニュアルを提供する場合、おおよそのプリントアウト頁数を提示しなければならない)。
    (十)国の法律法規に規定される、許可を受けた当事者のみフランチャイズが展開可能な製品及びサービスについては、関連する主管部門の許可文書を提出しなければならない。
    外商投資企業は「外商投資企業許可証書」を提出しなければならず、「外商投資企業許可証書」の経営範囲には、「フランチャイズ方式により商業活動に従事する」という項目が含まれていなければならない。
    (十一)法定代表者による署名押印済のフランチャイザー承諾書。
    (十二)届出機関が提出すべきと判断するその他の資料。

上記の文書が中華人民共和国国外で作成されたものである場合、所在国の公証機関において公証(中国語訳文を添付)を受け、かつ中華人民共和国の駐在国の大使館・領事館において認証を受け、又は中華人民共和国と所在国とが締結する関連条約において規定される証明手続を履行する必要があります。香港、マカオ、台湾地区で作成されたものである場合、関連する証明手続を履行しなければなりません。

なお、商標法及びその他の知的財産権の関連する法律法規の規定に基づき、商業フランチャイズが商標及びその他の知的財産権の使用許諾に関わる場合、関連する法律法規の規定に従って商標使用許諾、特許使用許諾、著作権使用許諾等の契約の届出も行う必要があります。

上記に記載したとおり、中国国外のフランチャイザーと中国国内のフランチャイジーとの間の商業フランチャイズ契約については、中国商務部において届出を行う必要があります。弊所は、既に数社の日本の商業フランチャイズ企業をサポートし、フランチャイズ契約、及びそれに伴う商標、特許、著作権の使用許諾などの契約の作成から、商務部における届出まで担当した経験があります。日本の商業フランチャイズ企業による、中国国内の商業フランチャイズ契約の届出に関する事務について、豊富な経験を有し、日本語及び中国語、日中の企業文化、商業フランチャイズの商業モデルに精通した、弁護士及び法律アシスタント、行政人員の専門チームが、中国の関連する法律法規に基づき、商業フランチャイズに関わる一連の契約のドラフト、修正、チェック、情報開示、商業フランチャイズ契約の届出及び関連する商標、特許、著作権の使用契約の届出等について、ワン・ストップ型の完全な法律サービスを提供します。


*本記事は、中国の法律に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。
また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。
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